悲劇の王妃マリーアントワネットがベルサイユで楽しく遊んでいた頃、ヨーロッパではタロット占いが流行っていました。
流行りもの大好きなマリーアントワネットは、よく当たると評判のカリオストロという人物を呼び寄せて自分達を占わせたところ、塔のカードが正位置で出てしまいます。
カリオストロは正直に「王政はもうじき終わります」と答えてしまいました。
王妃の逆鱗に触れたカリオストロは国外追放になり、後に首飾り事件の首謀者となりました。
マリーアントワネットは当時、パリ市民達の敵意や財政問題、自分を嫌う貴族達の陰謀などを知ってはいたようです。
当時、実家に向けて「自分はそんなものにいちいち、本気で関わったりしない」といった意味の手紙を送っています。
立ち向かうより無視する方が、王妃らしく勇気のある行為だと思っていたようです。
でも内心は、王家の行く末に不安を感じていたのでしょう。
革命後タンプル塔に幽閉された時、昔タロットで塔のカードが出たことを思い出したかもしれませんね。
タロットを始めたきっかけ
私は現在、陰陽道、姓名判断、九星気学、霊視によって鑑定を行っています。
占いに興味を持ったきっかけは大学に入って間もない頃、友達とタロット占いをしてもらったことでした。
具体的で当たっていたため、その後も何回かその占い師を訪ねていました。
その占い師から「あなたは占い師に向いてるから勉強したら?」と言われ、真に受けて本当にタロットを始めてしまいました。
タロットを始めてみたら
私は子供の頃から、人のことがなぜかわかってしまうことがありました。
初対面なのに
「この人はすぐ結婚する」
「優しそうだけどすぐにブチ切れる怖い人だ」
「野心家だけどお金のない人」
と、なぜか頭に浮かぶのです。
そして、それは全て当たっていました。
私は人を見る目がある、と勝手にうぬぼれていたのですが、タロットはその人の状況が詳しく見えてきて、さらに当たるようになりました。
行列ができるタロット
私は普通の学生ですし占い師ではないので、友達に頼まれた時だけ無料で占っていました。
カードをめくっていると不思議な程、勝手に言葉が出てきました。
「彼とはケンカしてるみたいだけど、来週あたりあちらから連絡あるから大丈夫」
「彼には他の女性がいて、彼女はかなり積極的みたい」
そして、それは当たっていました。
だんだん評判になって行列ができるようになっていきました。
私は当時お気楽女子大生で暇だったので、最初は面白がって・・・そしてちょっと得意になっていました。
若い女性の悩みは、思い通りにいかない恋愛に決まっています。
彼女達から昼間だけでなく、夜も電話がかかってくるようになり、私は次第に面倒になっていきました。
辞めた理由
恋愛がうまくいってない時の女友達というのは、何かと電話をかけてきます。
当時はラインなんてなくてメールだったのですが、嫉妬や不安で焦った彼女達は深夜でも連絡してきました。
明日も会う、とわかっている相手を邪見にするわけにもいかず、延々と彼の話を・・・しょーもない話を聞く羽目になりました。
他に断る理由を思いつかなかったので「疲れて気分が悪くなるから」と言って、タロット占いは辞めたのですが、それでもしつこく頼まれました。
そのしつこさや、切羽詰まった表情は、まるで依存症のようでした。
「今日、彼に電話してもいいと思う?どうなるか占って」
「彼から電話がなかったんだけど、他の女の子に会ってると思う?」
「あの人を誘ってみてもいい?私のことどう思ってる?」
「今日のデートで何に気を付けたらいいかな?」
そんなの知らんし・・・
辞めた結果は
占う人がによるのはわかるのですが、私のタロットは相手を幸せにはできませんでした。
簡単に結果が出るため、何でもいちいち私に聞いてくるようになってしまったのです。
そのうち、タロットの結果が悪いと本人の潜在意識に「うまくいかない」という刷り込みがされてしまうのではないか、と思うようになりました。
その結果、潜在意識の通りに導かれて失敗してしまうのでは?
例えば、片思の男性には他の女性がいて三角関係だったとします。
悪いカードが出てしまったのを見なければ、疑心暗鬼になって彼の言葉をいちいち疑うこともなかったかも。
もっと明るく天真爛漫にふるまっていれば、恋はうまくいったかもしれません。
遊ばれずにすんだ、とも言えますが、タロット依存症の女子達の恋は、うまくいかないままでした。
私はタロットで「ダメそう」とか「別れるかも」といったことは一切言わなかったのですが、それでもいいカードが出るまで粘る子もいました。
依存してしまう理由
具体的な答えがすぐに出るため、自分で考えたり決断しなくていいので、楽なのかもしれません。
「今日は電話しないほうがいい」とか「彼は今忙しそう」とか。
意を決して自分から電話をするより、人の言った通りにした方が失敗した時の言い訳にもなりますし。
占い師からいい未来を言ってもらうと誰でも安心します。
いいカードが出るまで、質問を微妙に変えて占いを続けたがる子もいました。
タロットの場合、気に入らない結果が出た時の反応が、他の占いより激しい気がします。
今の私の鑑定方法の方が、結果的に皆が幸せになっている気がします。
幸せな将来に向けての道筋を示すことができるからです。
願望成就のための、護符もさし上げるようになり、占いに依存する相談者様はいなくなりました。
依存しなくても、ちゃんと相談者様自身が自分で決断できる道筋と、神霊の守護をお渡しできているからです。
タロットの場合、本人の目の前にカードがあるので誤魔化しようがなく、勝手に悲観されてしまうこともありました。
カリオストロも、水晶占いか何かだったら「王妃様、光り輝く未来が見えます」くらい言って御褒美を沢山もらって、首飾り事件なんて起きなかったかもしれません。
私はマリーアントワネットの伝記は全部読んでいるのですが、中でもこちらはおすすめです。
王妃がただの浪費癖のある浮ついた女性ではなく、後世に名を残すため自分の名誉を賭けて戦う女性であったことがわかります。
宮殿を追われてからの方が、ずっと王妃としての威厳を保ち立派な死に様を見せるのです。
彼女を革命裁判で裁いたロベスピエールやフーキエ・ダンヴィルより、ずっと立派な最期でした。