結婚は当初の気持ちだけで、続くものではありません。
結婚式にこぎつけるまでも大変ですが、その後の人生はもっと大変です。
覚悟を決めるためにも、結婚前にキチンと確かめておくべきことがいくつかあります。
遺伝病について
これは差別ではなく覚悟しておくべきこととして、当然知っておかなければいけません。
昔のお見合いなら仲人さんが双方に確認してくれていたのですが、現代では自分達で確認しあうしかありません。
遺伝病を故意に相手に隠すのは、離婚の原因として裁判所で認められる程の重大な違反事項です。
遺伝による病気は将来、本人や子供、孫に出るかもしれません。
もちろん、出ないかもしれません。
結婚してみなければわからないことで、ずっと家族全員が健康に過ごせるかもしれません。
でも、「もし起きてしまった時の覚悟」は、お互いに決めてから結婚するべきです。
とりあえず結婚したくて「発病するとは限らないし。たぶん大丈夫」くらいの気持ちだと、結局後で「まさかこんなことになるなんて」と嘆くことになります。
遺伝しがちな疾患がある(かもしれない)ことがわかっていれば、若い頃から
食生活には夫婦そろって気を配り、家族全員が健康に過ごせるよう心がけることができます。
結果、ずっと健康でいられる確率はかなり上がるはずです。
そして結婚を決める時に誓った「何が起こっても一緒に頑張る」という決意はその先の人生で、必ず支えになってくれます。
覚悟を決める、という意味でも「遺伝するかもしれないこと」を知っておくのは大事です。
政治的な立場
「友達との間に、政治と宗教とお金の貸し借りを持ち込んではいけない」と言いますが、結婚相手との関係には思いっきり関係するので、確かめていかなくてはいけません。
お金と宗教については、さすがにどんなカップルも結婚前に確認するはずです。
でも、政治的な立場については、多くのカップルが見落としがちです。
「支持政党なし」とか「どちらかというと保守」など、双方がたいして重きをおいていないカップルならいいのですが。
相手がどんな政党の支持者なのか、それとも全く政治に興味はないのか。
結婚する前にチェックしておくことは大事です。
政治的に正反対の立場にある二人が、歩み寄るのはかなり難しいことです。
「政治的な立場と結婚なんて関係ない」と軽く考えがちですが、これは同じ家に住む二人の価値観が、根本から違うということなのです。
お互いに相手を説得して自分と同じ考えにしようとするでしょうが、そんなことは先ず無理です。
お互い相容れない価値観であることを受け入れて、相手を変えようとはせずに一緒にいられるかどうか、が分かれ目です。
相手を自分と同じ考えに変えようとすれば、お互いに大喧嘩の末離婚することになってしまいます。
二人の違いを面白がるくらいならいいのですが。
宗教について
どんな宗教を信仰しているかも、結婚する以上大事です。
下手したら自分だけでなく、実家の家族や親せきまで迷惑をかけることになってしまいます。
だから、何か特定の新興宗教に入っている人は、教団の内部で結婚するのが一番うまくいきます。
自分の信仰する宗教を嫌がる相手と結婚しても、この先もめごとしかありません。
ただ、普通のカトリックやプロテスタントは、布教活動などしないので心配はありません。
日曜日の朝、ミサに行くくらいで(行かない人も結構います)家族が無理やり、付き合わされることはありません。
普通の神道(家に神棚がある)や仏教も布教活動などしないし、お布施も常識の範囲内です。
特定の新興宗教に深くはまっているかどうか(家族にはまっている人がいるか)、確かめておかなければ家族を巻き込む事態になります。
お金に対する考え方
両家の違い
お互いの実家や、今の二人の年収が釣り合っているか、という問題です。
これは覚悟の問題であって、釣り合っていなければうまくいかない、ということではありません。
ただ実家の格は同等の方がもめません。
私の友人で大企業の重役のお嬢さんがいました。
彼女は性格も良くて誰からも好かれるタイプ。
学生時代から付き合っていた男性と結婚が決まりました。
男性の方は中堅企業のサラリーマン。
彼女の立場ならもっと他にも・・・と言えなくもない相手でしたが、二人の仲はうまくいっていたし、彼女の御両親も「二人の気持ちが一番」という考え方で、結婚に向けて万事順調かと思われました。
でも問題を起こしたのは男性側の母親でした。
自分より贅沢な家庭で育った彼女やその母親に対して、かなり嫉妬していたようです。
例えば、男性側の両親をもてなす時、彼女は喜んでもらいたくて精一杯御馳走を作ったのですが、先ずそこから言いがかりをつけられます。
「こんなに贅沢するなんてわざとらしい!私がお刺身食べられないの知っててわざと出すなんて意地悪ねえ」といった感じで。
もちろん、男性の母はお刺身が嫌いなのではなく、意地悪で言ってるだけでした。
男性とその父親は「お刺身好きじゃないか」とたしなめますが、食事の間中文句が続いたそうです。
その後の親戚付き合いの全てに母親の嫌がらせは及びました。
彼女の場合、学生時代にプロポーズされてすぐに結婚したため、「両家の違い」まで考えていなかったそうです。
若すぎて「価値観の違う家庭に入る」という事を甘く見ていたのでしょう。
彼女とその両親は「お互いが好きなら、それが一番」と考えていましたが、彼の母親はお嬢さん育ちの嫁が憎くて、息子夫婦の仲を裂くために色んな事件を起こしました。
披露宴や二人の新居に関しても両家の溝は大きく、最初は理解を示していた彼女の親御さんも「やめるなら今のうちだ」と言いだしました。
男性とはうまくいっていたし、いまさら破談にはできないと彼女は言っていましたが、何年かして離婚しました。
生活感が全く合わない相手と一緒に暮らすのは、辛かったとのことです。
最初に二人の育った環境の違いを理解して、「お互いにそれを乗り越えて家庭を築く」という覚悟ができていれば少しは違ったかもしれません。
男性側は、最初から母親にクギをさしたり、父親と相談して嫌がらせを止めることができたでしょう。
彼女の方も、わざと質素なお料理を出すなど相手をできるだけ刺激しないように心がけたかもしれません。
でも20代のお嬢さんに嫉妬するオバサンなんているわけない、って普通は思ってしまいますよね。
借金と投資
借金はないに越したことはありません。
でも、どんな借金かによって全く違ってきます。
その借金が奨学金によるもので、頑張ってちゃんと返済している人なら大丈夫だと思えます。
でも株やFXなら危険信号です。
投機的なことが平気でできる人とは、家庭を持つべきではありません。
もちろん本人が反省して「二度とやらない」と言って、返済をしているのなら様子を見てもいいのかも。
FXなんて「3000万くらいなら無くなっても別にどうってことないよ」という人が、やるものです。
なけなしのお金で投資を行うような人と家庭をもつのは危険です。
投資やお金に対する考え方は、ちゃんと確かめておくべきです。
株やギャンブルにはまる人は、最初にいい思いをしていることが多いものです。
ビギナーズラックなのですが、成功体験があるため、なかなか辞めません。
人のお金に対する態度
私の知人でOLをしながら奨学金の返済をしていた女性がいます。
彼女にプロポーズした男性は、裕福な家庭で育った資産家でした。
付き合っていた頃、彼は「残りの奨学金、僕が払ってあげる」と申し出てくれたことがあったそうです。
普通なら「お金持ちの彼氏ができて、借金を代わりに払ってくれる」なんて喜んで甘えたかもしれませんが、彼女は断りました。
自分の借金は自分で返します、と言って。
彼の方は、その言葉を聞いて彼女の人間性を尊敬するようになったそうです。
それまでは「可愛いな~」くらいで結婚までは考えていなかったそうですが、その言葉で結婚を考えるようになったと言っていました。
結婚してからも、彼女は仕事を続けて自分のお給料から奨学金の返済を続けました。
彼の両親も彼女に一目おいています。
自分の息子のお金をあてにせず、自力で自分の借金を返す姿勢を立派だと。
彼女にように、たとえ両家に間に大きな格差があっても、それを利用したり嫉妬したりはしない人。
妙な自意識ではなく本物のプライドがあれば、相手から認められるし尊敬もされるのです。
人のお金に対する考え方は、その人の人間性にも通じるので大切です。
お見合いの場合
「いくらなんでも同居はないでしょ」と、自分に都合よく思っている方は多いようです。
でも、同居を目論んでいる相手が最初から「同居してもらうよ」と言ってくれるとは限りません。
私の知人の奥様の話です。
その方は地方の資産家で古くて大きなお屋敷に住んでいました。
彼女は息子夫婦と同居するつもりで、お見合いを重ねてさせていました。
でもその奥様は、超わがままで気の強い女性だということは、会ってすぐわかるくらいの怖い人でした。
「こんなのと同居したら大変な目に合わされる」と誰でもわかるくらい。
そのうちその奥様は「古い自宅を息子夫婦にゆずって自分は近くのマンションに住むつもりなの」と言いだしました。
それは同居より面倒です。
「大きくて古い家って住み心地は悪いから、私は新しいマンションに住むつもり。
古い家は息子夫婦に住ませて、私は気の向いた時いつでも自由に息子の家に出入りするわ」という意味です。
しかも、息子さんは慶應出てるけど160センチないし。
そこのお宅では父親と息子が慶應出身なので、お見合い相手も慶應を出ている事が条件でした。
いくら資産家でも、田舎であんな姑と同居してもいいと思う女性はめったにいません。
しかも慶應出てないとダメだし。
「お宅めっちゃ条件悪いんですけど・・・」と皆は思っていましたが、奥様はあきらめずにひどい作戦を立てました。
東京に形だけの支社を作って、息子はずっとその東京支社長として東京住まいということにしておく。
ぞれなら慶應出の女性とのお見合いもうまくいくはず。
うまく結婚して彼女が妊娠したタイミングで、田舎に帰らせて同居させる。
・・・というものです。
子供ができたら逃げられないだろう、という薄汚い手口ですが、怖いことに息子も母親の提案に同意したそうです。
お見合いの場合、相手に対してまだ情がありません。
恋愛結婚なら、騙してまで自分の親と同居させる人はめったにいません。
でもお見合いの場合、ウソをついてでも自分に都合よく進めようとする人は結構います。
必ず結婚後の生活について確認しておきましょう。
同居はしないけど近くに住むのはOKとか、2世帯住宅でお互いに干渉しない条件ならOKなど、最初に歩み寄れる条件を出しておくのもおすすめです。
子供ができて仕事を辞めたあたりで、突然同居を言い出す舅や姑は結構いるものです。