人たらしになる方法~上手なウソと社交辞令の違い~老獪な世渡り上手を見習おう

私達は子供の頃から「常に正直であれ」と教えられ、ウソをついてはいけない、と

叩きこまれて育ちます。

これは本当に正しいことです。

基本的に嘘つきは誰からも相手にされず、仕事もなり立ってはいきません。

でも、ウソと社交辞令は違います。

「正直であらねば」と思うあまり、社交辞令が下手な人が多いようです。

上手な社交辞令は、大事なコミュ力でもあるので日頃から鍛えておきましょう。

筋肉と同じで、使わずにいるとコミュ力もだんだん鈍ってきます。

プライベートだけでなくビジネスの場においても、人たらしは得をするものです。

人の心をつかむための社交術をご紹介します

 

 

ウソと社交辞令の違い

人間関係を友好的に保つためには、たまにはウソも必要です。

でもウソと社交辞令はちょっと違います。

ついてもいいウソは、相手や自分を傷つけないためのものに限ります。

周囲の人の気持ちや立場を傷つけずに、その場をやりすごすためのウソは、ある程度バレても許されます。


社交辞令は保身だけではなく、相手と良好な関係を築くことが目的です。

ただ、心にもないことをペラペラしゃべっても、たいてい相手にはバレています。

上手な社交辞令には、少しだけ真心も必要です。

 

上手な社交辞令1

例えば、たいして可愛くないペットの写真を見せられた時

「あ、猫飼ってらっしゃるんですねー」
「かわいいー」

だけでは相手をガッカリさせてしまいます。

これだけでも社交辞令として頑張ったつもりかもしれませんが、言葉が足りていません。

 

例えあなたが猫嫌いだったとしても、その猫がブスだったとしても

「えっ可愛い♪なんて名前なんですか?〇〇さん猫がお好きなんですね。」

(ここは自分も猫が好きなフリをしておく)

「美人猫さんですね。何歳なんですか?」

「猫ちゃん、くつろいでて幸せそうですね。愛されてるって感じがします」

くらいは返してあげると、相手の中であなたの評価は60点くらい上がります。

 

これは、ウソではなく上手な社交辞令です。

「かわいいー」だけではなく、名前や年齢を質問し「幸せそう、愛されてる」という飼い主が一番喜ぶ感想もさりげなく述べています。

 

これで

「適当に可愛いって言ったわけじゃなくて、実際興味を持ってあなたの話を聞きたいと思ってるんです」

というこちらの気持ちが伝わります。

自分の猫の写真を見せた時、その人は

「うちの子の話を聞いて欲しい。猫自慢をさせてくれ!」

と思っていたはずです。

だからといって、聞かれもしないのに一方的にペット自慢をするのもちょっと・・・と

多少は遠慮や不安があったはずです。

そんな時、相手から「誉め言葉+質問」があると、ほっとして嬉しくなったことでしょう。

社交辞令の目的は、その人物ともっと親しくなって良い関係を築くことです。


社交辞令の誉め言葉は、ダラダラと長い言葉で語ってはいけません。

長ければ長い程、アラが目立ちます。

「見え透いた下手なお世辞を言って変な人」

と思われて返って逆効果です。

短い誉め言葉+質問は、相手の話を引き出すためのものです。

 

上手な社交辞令2

まだそれほど親しくない人に

「また今度ランチでも」

ではただの社交辞令で終わります。


お互いにまたランチをするかどうかはわからないけど「ではごきげんよう」で別れるのもちょっと・・・

という時に使える便利な言葉にすぎません。


でも、

「今日はとても楽しかったです。時間がすぎるのが本当にアッという間でした。またいつかお茶でもご一緒していただけると嬉しいです。その時は先程のお話の続き教えてください」

くらいだと、上級の社交辞令です。

 

そもそも、またランチに行くかどうかはお互いわからない(というか多分行かない)のですが、

「こちらは、また誘ってくれてもOKです!」

「私はあなたと良い関係を築きたいと思っています」

というメッセージはちゃんと伝わります。

そして圧迫感を与えないように「またいつか」。

 

この時、「いつ行きますか?」とか「ご都合いい日はいつですか?」はやめましょう。

相手に行く気がなかった場合、圧迫感を与えてせっかくの社交辞令が台無しです。

ランチに行くことが目的ではなく、「いい人だな」「一緒にいて楽しかった」

と思ってもらえれば、それだけでいいのです。

 

社交辞令には、「ほんの少し真心を込める」のが大事です。

心にもない言葉ではなくて。

ほんの少し・・・が相手にとっては重くない、ちょうどいい言葉になります。

 

 

上手なウソをみならおう

上手な嘘はお世辞やヨイショではありません。

相手を傷つけず、自分も傷つかないためのものです。

 

私が感心した「上手なウソ」をご紹介します。

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ある時、私の習い事の先生が入院しました。(何年も前です)

大したことはなく、お見舞いに行ってもかまわない状況でした。

先生は、退屈だったらしく、お見舞い大歓迎だったので、入院を知ってしまった以上、行かざるをえない状況でした。

猛暑の中、私だって本当は行きたくはなかったのです。

お見舞いのお花を送るだけでいいのでは?と思わなくもなかった・・・

どうせすぐに退院するんだし。

でも皆が行く以上、自分だけ行かなかったら薄情だとか、恩知らずだと思われてしまいそうです。

そんなわけで私はお見舞いに行きました。

その後、先生が退院して、社中の人達が集まった時のことです。

その中に1人だけ、お見舞いをさぼった人がいました。

 

その人がどうしたと思いますか?

なんと、先生にかけよって

「入院なさってたんですってね。私、全然知らなくてお見舞にも伺わずに大変失礼なことをいたしました。」

と言ったのです。

もちろんその人は、入院したことを知っていました。

私が直接、伝えましたから。

それなのに「知らなかった」

これは本当にうまいウソです。

誰も傷つけず、自分も傷つかない。

「ホントに忙しくて。今日こそ行こうと思ってたら、なぜか急用ができたりして。そんなことしてるうちに先生が退院してしまったんです」

なんて長い言い訳をするより、ずっとスマート。

しかも「知らなかった」人を責めることはできません。

「忙しくて行けなかった」は「私にはあなたより優先することがあったのです」

ともとれる言い訳です。

でも「知らなかった」にはどんな言い訳もかないません。

しかも、お見舞いに行かなかったのは

「先生をないがしろにしたのではなく、知らなかっただけ」

ということで、先生の面目も保たれます。

正直に失礼を詫びるより、先生も本人も傷つかない言い訳でした。

 

こんな時、つい「自分の状況を説明する」→「謝る」で終わらせてしまいがちです。

でも、私達よりもっと老獪で世渡り上手な奥様たちは、長年の知恵でうまい社交辞令や、上手なウソを知っています。

こんな点はぜひとも見習いたいものです。

「知らなかった」「存じませんでした」は軽い非礼を詫びる時に、いい言葉です。