古い家にはたいてい、何か因縁があるものです。
庭の石や柱も因縁や、何代も前の住人の念がしみ込んでいたりします。
自分の先祖のものなら、きちんと供養すれば守っていただけます。
でも、自分と関係のない古い家を買ってしまった場合は、氏神様の神社で家祓いをしていただくことをおすすめします。
古い武家屋敷の話
私の知人の話です。
(設定は少し変えています)
その一家は両親と小学生の子供が二人。
両親は新しいモダンな家より、歴史のある古い屋敷が好きでした。
磨きこまれた大黒柱や床の間、日本庭園などに憧れがあったそうです。
そんな時、理想通りの家が見つかりました。
古い武家屋敷で、水回りだけはリフォーム済みという理想的な家でした。
広い家だったので、子供たちもそれぞれ自分の部屋をもらってご機嫌だったそうです。
ところがしばらくしてから、奥様は血まみれの武士の姿を見てしまいました。
何かの間違いだと思って、忘れようとしたそうですが何回も見てしまいました。
でも、家を買うというのは、家族にとって大きな買い物です。
それに、やっと見つけた理想の家なのです。
「幽霊を見たからお引っ越ししましょう」とは言えません。
そんなことを言ったら、せっかく広い家に引っ越して喜んでいる家族を怖がらせてしまうでしょう。
奥様は幽霊のことは黙っていることにしました。
でも、家族の様子がだんだんおかしくなりました。
小学生の子供たちが自分の部屋に行きたがらなくなったのです。
両親の部屋で一緒に寝たがったり、トイレについてきて欲しいと言ったり。
ある時、奥様は意を決して幽霊のことを話してみました。
そうすると、家族全員が一人でいる時、同じ武士を見ていたことがわかりました。
御主人も奥様と同じく「他の家族を怖がらせてはいけない」と思って、黙っていたそうです。
子供たちは「絶対信じてもらえない」と思って黙っていたのだとか。
その後の話
その一家は家族全員が「すぐにでも引っ越したい!」と思っていたため、すぐにその家を出ることができました。
かなり痛い出費でしたが、そんなことは言っていられない状況でした。
一家は嫌っていたはずのモダンな家に移り住んで、無事に・・・というか何事もなく暮らしています。
すぐにお引っ越しできたため、その一家は無事でしたが、もし夫婦のどちらかが幽霊話など信じない人で、お引っ越しを拒否していたらどうなっていたか・・・
その武家屋敷は本来、すぐに家祓いをするべきだったのですが、誰もしていませんでした。
もう何代も前の話で、しかも自分の先祖ではありませんから、誰も供養することなく現在に至っているのです。
古い家は、自分の先祖代々のものなら別ですが、他人の家を買うのは考え物です。
そこで何が起こったか、どんな念が残っているかわかりません。