嫁姑の仲は、いつの時代も面倒で難しいものです。
私は霊視と占い鑑定の仕事で、数えきれない程家族の悩みを聞いてきました。
ちょっとした工夫だけで、こんなに嫌い合う仲にならずにすんだのに・・・と思うこともよくあります。
お嫁さんがどんなタイプでも、戦略的に理想の姑として振る舞うことはできますし、それはとても簡単なことです。
(お嫁さんも同様ですが)
戦略的に理想の姑になってみる
普通の友人関係では全くもめない優しい人でも、なぜかお嫁さんとは仲が悪かったりします。
二人共それぞれいい人達なのに、なぜもめてしまうのでしょう。
嫁と姑は本来他人なのに、「うちのお嫁さんだから」「もう家族だし」「息子と孫が可愛い!」といった理由で他人には言わないことを無意識に言っている場合があります。
理性より情が優先されてしまっているのです。
仲良くするメリット
お嫁さんと仲良くするメリットは、孫と自分の老後です。
自分の介入が原因で息子の家庭が壊れたら、一番可哀そうなのはお孫さんです。
姑を巡っての夫婦ケンカなんて本来、する必要のないものです。
お嫁さんと仲良くしておけば・・・または仲の良いふりをしておけば息子の家庭に波風が立ちません。
それにお嫁さんと仲が良ければ孫に会う機会も増えます。
お嫁さんとの不仲が原因で、なかなか孫に会えないお姑さんは大勢います。
自分や夫が病気やケガをした時のことも考えておくべきです。
「私は嫁の世話になんか絶対なりません!」と言っている人でも、通院やリハビリなど家族の手助けが必要な場合も起こりえます。
自分や夫が寝込んだ時、仲の悪い嫁に助けを求めるわけにはいきません。
お嫁さんと仲良くするには、本音でぶつかりあってはいけません。
どんなタイプのお嫁さんとも良好な関係を築く方法がこれです。
- 相手を職場の同僚だと思うこと
- 悪口・噂話をしない
- 否定的な言葉を口に出さない
- 感情を露わにしない
- 孫の幸せが第一
職場の同僚だと考えよう
どんなに賢くて性格のいい女性でも、嫁と姑になったとたんイヤなことが沢山起こります。
普通は我慢して口には出しませんが、心の中では色んな不満が渦巻いているものです。
「もう家族だし」「お嫁さん」と思って接するから、お互いに行き違いが起きるのです。
たいていの人は職場でトラブルなど起こしません。
好き嫌いは関係なく、仕事と割り切って(表面上は)仲良くやっているものです。
お嫁さんを「職場の同僚」だと、割り切って接してみてください。
後輩や部下ではなく、ただの同僚です。
同僚に助けを求められたら、手伝ったり相談にのるけど、自分からわざわざ他人の問題に介入したりはしませんよね。
そして「あくまでも他人」なので、ある程度の遠慮や気がねもあるはずです。
お嫁さんに対しても、同じように接すると丁度いい距離感になります。
「ちょっと他人行儀」くらいが、双方にとって一番心地良い関係です。
本音を言わない
職場でいちいち自分の本音を言ったりはしないものです。
本音を語ると対立する意見の人とぶつかってしまうし、その本音に傷ついたり嫌ったりする人が出てきます。
だから賢い社会人は、職場で自分の本音を語ったりはしません。
口を閉じておくだけで、どれほど多くのトラブルが回避できることか。
お嫁さんに対しても同様です。
いちいち自分の本音を言わなくても、仲良く接することはできます。
世間では「親切で優しい人」で通っている女性が、お嫁さんから避けられているのは、たいてい「家族だから本音でOK」と思ってしまったことが原因かもしれません。
付き合い方
職場の同僚の家には、招待されない限り行きませんよね。
お嫁さんとの付き合いも
- 呼ばれない限り行かない
- 何かイベントがない限り呼ばない
この程度が正解です。
私の知人の嫁子さんは赤ちゃんが生まれたとたん、毎日訪れる姑に悩まされました。
お姑さんは「私はただ赤ちゃんの顔を見に来ただけなので、おかまいなく」と言って、その言葉通り赤ちゃんを見るだけ。
もちろん、途中であやしたりオムツを変えたりはしてくれますが、毎日決まった時間に現れる姑はストレスでしかありません。
周囲は一応、姑を止めたそうですが「私は嫁子ちゃんに何もうるさい事は言ってないし、お茶も出さなくていいって言ってるから。それに私達はうまくいってるの」
と言い張ってきかなかったそうです。
夫は「ただ赤ちゃんを見てるだけだろ、別にそのくらいいいじゃないか」と言って最初はとりあってくれなかったそうです。
その後、嫁子さんはストレスのあまり円形脱毛症になってしまい、泣きながら「これ以上は耐えられない。お引っ越しできないなら実家に帰る」と言い出しました。
夫は妻の円形脱毛症と「このままいくと離婚」という切迫した事態に、ようやく電車で1時間以上かかる場所に引っ越してくれました。
当然お姑さんは大反対でした。
「嫌がられているなんて思っていなかった」「仲良くしたかったのに」と言っていた
そうですが、お引っ越しは強行されました。
職場の同僚の家がいくら近くても、毎日行ったりしません。
たとえ悪意はなくても「家族だから」という甘えや思い込みは、ハラスメントと紙一重です。
節度を守っていれば、ずっと近所に住んでいられたのに。
成功例
実は孫の顔を見たがっているお姑さんの中には、成功している人もいます。
そのお姑さんは賢い人で、自分の訪問が嫁子さんのストレスになるであろうことを、ちゃんと理解していました。
そこで、自分が孫の顔を見たい時は、嫁子さんに「美容院に行っていらっしゃいよ」とか「たまには夫婦でランチでも行きなさい」と言って、お孫さんを自分の家に連れてこさせたそうです。
「私が子守をするから、のんびりしてきて」と言われると、嫁子さんとしては気が楽です。
自分の家に来られると、掃除をしたりお茶を出したりと、気を遣うことが増えてしまいます。
その点、「相手の家で預かってくれる」というのは、有難いしリフレッシュもできます。
双方にとって都合のいい時だけ、行う習慣なので負担にもなりません。
そのうち嫁子さんの方から「久しぶりにお友達と会いたいので、赤ちゃんを連れて行ってもいいですか」と言ってくるようになりました。
本当は孫に会いたいのは自分の方なのですが、お姑さんは「いいわよ。あなたもたまには息抜きが必要よ」と、ちょっと余裕のある返事をしているそうです。
嫁子さんと息子からは感謝され、自分の目的も果たせました。
接し方
同僚がしてくれた事に対しては、先ず感謝を伝えるのが当たり前です。
「もっとこうしたら?」なんて言いませんよね。
でも身内だと思うとつい、感謝より先に「もっとこうした方がいいんじゃない?」「知らないの?」といった言葉が出てしまいます。
その結果、せっかくうまくいきかけていた関係にヒビが入ることもあります。
ある20代前半の嫁子さんは、鯛を一匹さばいたことがありました。
鱗をとって3枚におろして、お刺身にしたそうです。
調理と鱗が飛び散ったキッチンのお片付けに疲れた嫁子さんは、鯛のアラを調理する元気は残っていなかったため、捨てることにしました。
そこに登場した姑は「鯛のアラを捨てるなんてもったいない。美味しいのよ。知らないの?」
と言って捨てようと思っていた鯛のアラをまな板にのせました。
「アラが美味しいのは知ってるけど、今日明日はアラ炊き作る気分じゃないんです。アラは作る気になった時にスーパーで買ってきます」
という嫁子さんの言い分は、姑の「え?知らないの?美味しいのに」の声にかき消されてしまいました。
どんなに「知ってるけど今日は作りたくない」と言っても無駄でした。
結局、姑に押し切られてアラ炊きを作った嫁子さんは、その後ことあるごとに「嫁子さんったら鯛のアラを捨てようとしてたの。私がとめてアラ炊きを教えてあげたのよ」
という話を聞かされることになったそうです。
ホントに下らない話ですが、これが職場の同僚なら
「鯛をさばいてくれてありがとう。大変だったでしょ。鱗のお片付け手伝うわ。」となっていたはずです。
「あとは私がやっておきます」とか。
私は当時そのお姑さんと知り合いだったので「嫁子さん、鯛を一人でさばいたことを褒めて欲しかったんじゃないですか?」と言ってみたのですが、そこにいたおば様達全員が「そんな事より鯛のアラを捨てたのは間違ってる」という反応でした。
悪口・噂話をしない
気のおけない友達にお嫁さんの悪口や噂話を、してしまうかもしれません。
でも「誰にも言わないでね」「ここだけの話だけど」といった話は、必ず尾ひれがついて広まります。
いずれお嫁さんか彼女の家族、友人の耳に入ります。
最初は罪のない噂話でも、色んな人を通して尾ひれがつくと、悪意のある悪口に変わっていくものです。
お嫁さん相手に人の悪口、噂話もやめておきましょう。
お嫁さんが一緒になって笑ったとしても、内心「きつい人だな」「けっこう意地悪なこと言う人だな」「私もどこかで悪く言われてるかも」と思っているかもしれません。
「人の悪口を言わない人」「口が固い人」という評判は、様々なトラブルから自分の身を守ってくれます。
お嫁さんから「お姑さんが私を悪く言ったことは一度もない」と思ってもらうことは、信頼関係を築く上で重要なことです。
否定的な言葉を口に出さない
色々思うところはあっても、あえて黙っておきましょう。
「ホントに大丈夫なの?」「それじゃうまくいかないわよ」「お仕事はどうなってるの?」「息子はずいぶん太ったわね」など。
否定的な感想を伝えたからといって、お嫁さんは考えを改めてはくれません。
それどころか「お姑さんと会うと必ずネガティブな事を言われてしまう。」「一緒にいると疲れる」なんて思われるだけ。
相手は自分の息子と可愛い孫を預けている女性です。
多少の不満はあっても、「いつもありがとう」「よく頑張ってるわね」など感謝と労いの言葉をかけておきましょう。
それだけでも、家事や仕事、育児で疲れたお嫁さんは「この人、私の苦労をわかってくれてる」と感じて、少しほっとするものです。
感情を露わにしない
特に怒りの感情は絶対に隠しておきましょう。
姑が先に怒りの感情を出してしまうと、相手のお嫁さんも応じてきます。
応じてこなかった場合は、後で夫に「お姑さんが怒ってて怖かった」なんて言ってるかもしれません。
お嫁さんと戦ってはいけません。
お嫁さんは他人なので、親子ケンカのつもりでいると収拾がつかなくなります。
嫁姑間のケンカは勝っても負けても得るものが何もありません。
姑が戦いに勝って、お嫁さんが逃げ出したら、一番の被害者は息子と孫です。
そして世間からは「息子の家庭を壊した怖い女性」と思われます。
本人が知らないだけで、そういった噂はすぐに広まります。
私の知り合いには、お姑さんが原因で離婚したカップルが何組かいます。
一番悲しい思いをしたのは子供です。
子供はいつまでも小さいままではありません。
幼い頃はお祖母さんの言うことを素直に聞いていても、成長するとたいていの孫は大人の判断を下すようになります。
祖母の性格を冷静に観察して「自分の母親を追い出した人」「お祖母さんがママを虐めた」と思うようになるのです。
息子が再婚できなかった例もあります。
姑が原因で離婚した事が知られると、普通の女性は怖がって逃げ出すためなかなか再婚がまとまらないのです。
「きつい姑」と思われていい事など何もありません。
崩壊家庭を救った姑
お嫁さんがどんな人であろうと、一番大切なのは孫の幸せですよね。
お孫さんが暖かい家庭で育つことができれば、それだけで十分です。
私の周囲には、孫のために息子夫婦の家庭を守ったお姑さんが何人もいます。
後年、孫だけでなく、息子やお嫁さんからも感謝されています。
息子の浮気
息子の浮気が発覚して離婚になりそうな時、たいていのお姑さんは最初は息子を叱ってくれるそうです。
でも最後は必ず息子の味方をします。
「息子がここまで相手の女性にのぼせてしまったのは、嫁子さんにも問題があるんじゃないの?」
「あなたにも妻として至らない点があったんじゃない?」など。
でも私の知り合いのお姑さんは違いました。
徹底的に息子を叱り飛ばして「どうしても離婚したいなら、自分の着替えだけ持って出ていきなさい、財産はすべて嫁子さんと子供のものです。私はあなたとは縁を切って嫁子さんと養子縁組するので二度と家に帰ってこないで。親戚の集まりにも来ないで。」と言ったそうです。
お嫁さんにも「絶対に離婚に応じてはいけない」「何があっても私はあなたの味方です」と言って励ましました。
専業主婦だったお嫁さんにとって、家庭を守ることは何より大事でした。
中年の恋に浮かれていた夫は母親の権幕におされ、最終的には離婚を取り下げて家に戻ってきました。
お嫁さんはその後、お姑さんを心から信頼し慕うようになりました。
100%自分の味方をしてくれたお姑さんのことを、「実の母より好き」と言っていたくらいです。
自分の感情を抑えて、「孫にとって何が一番いいか」を冷静に判断した結果です。
「嫁より息子が可愛い」という自分の感情に従っていたら、一番大事な孫が辛い思いをしていたでしょう。
嫁の浮気
その家は新婚当時から姑と同居でした。
お姑さんから見ても息子は不愛想で、マトモな会話もできないレベルのコミュ障でした。
そんな息子と結婚してくれるだけでも有難いのに、自分と同居までしてくれたお嫁さんに内心感謝していたそうです。
子供が小学生の頃、お嫁さんは本気の浮気をしてしまいました。
相手は奥さんと別居中の男性です。
まだ離婚は成立していないのでW不倫ということになります。
とうとうお嫁さんは家を出ていきました。
その時、お姑さんがとった冷静な行動は、本当に賢いものでした。
他の男性の元に行ったお嫁さんに「いつでも好きな時に帰っていらっしゃい」と言ったのです。
お嫁さんは毎朝早起きして、子供達の朝食とお弁当を作りに通って来るようになりました。
不倫嫁は子供達を見送ってから、自分は職場に向かいます。
仕事が終わると夕食を作って子供達と一緒に食べて、また不倫相手と暮らす家に戻っていきました。
お姑さんは息子を説得して、できるだけ二人が顔を合わさないように工夫したそうです。
もしお姑さんが自分の気持ちに正直であったなら、浮気をしたお嫁さんは二度と家には帰ってこられなかったでしょう。
でも、そんな事をしたら寂しい思いをするのは可愛い孫です。
このお姑さんは孫のために自分を抑えて、お嫁さんの不倫を受け入れました。
完全に母親と引き離してしまったら、自分が寝込んだ時には代わりに孫が家事をしなければならなくなります。
自分の身に何が起きても、孫が学校から帰ってすぐに家事をしたり、ヤングケアラーとして介護をしたりしなくてすむようにと、お姑さんはちゃんと将来のことまで考えたのです。
両親は別居していても、毎日母親が作ってくれたお弁当を持って学校に行く子供達は、寂しい思いをしなくてすみました。
不倫嫁も、自分を受け入れてくれたお姑さんには頭が上がりません。
お嫁さんの行為の善悪について考えても、誰の得にもなりません。
賢いお姑さんのおかげで、崩壊家庭の子供達がなんとか平和な暮らしを維持できたのです。