安倍元総理の葬儀が増上寺で行われました。
多くの人が献花に訪れ、涙を流す人も。
目を引いたのは若い人が多かったことです。
テレビを見ない若者たちは、安倍元総理について捻じ曲げられた報道に毒されることなく、彼の手腕を正しく知っていたのでしょう。
安倍元総理の功績
安倍氏の功績は日本より海外の方が、正しく評価しています。
アメリカに頼るのではなく、アメリカをに引きこんでインド、NATO、オーストラリア、自由に開け放たれたインド太平洋をを目指しました。
安倍氏は中国の野望に一早く気づき、その危険性を世界に知らせ、どう対応すべきか戦略的な構想を示しました。
日米同盟の強化だけでなく、インド・オーストラリアとの関係を深めることにも尽力しました。
日本が世界の外交の中心的な役割を担ったのは、初めてのことです。
日米同盟の強化
東アジアの平和には、アメリカの継続的に存在感を示すことが重要であることを、アメリカ側に根気強く説明しました。
トランプ元大統領を説得して、信頼を得ることができたのは、安倍氏の政治家としての器量だけでなく、人間的な魅力も大きかったのでしょう。
クワッドについて
安倍氏は「自由で開かれたインド太平洋」の重要性を説いてまわり、各国をまとめました。
アメリカ、インド、オーストラリア、日本で形成されるクワッドを発案したのが安倍氏です。
中国を敵国として対峙するのではなく、あくまでも「自由・民主主義・法の支配」という共通の価値観に焦点を当てたのが、成功のカギでした。
台湾侵攻の脅威
アメリカはU国の例でもわかる通り、「戦略的なあいまいさ」を好みます。
でも、東アジアの安定のためには、アメリカによる「中国による台湾有事の際には、防衛する」という約束を公に発表することが大事でした。
安倍氏の外交努力で西側諸国は、中国の野望を封じるための準備に入ることができました。
中国は安倍氏が総理に就任する前、アメリカとの政府間で「ハワイから西はアメリカのもの。ハワイから東は中国が支配する」「日本なんて国はあと10年もしたら消滅している」と話していました。
その野望を止めたのが安倍氏でした。
政治家たちのコメント
麻生太郎氏の弔辞(一部抜粋)
「正直申し上げて、私の弔辞を安倍先生に話していただくつもりだった。無念です。
いかなる局面でも日本という国を思い、国益を最優先する信念が、先生と私をつなぐ絆だった。
各国が進むべき羅針盤を必要とする今、この時にあなたを失ってしまったことは、日本
という国家の大きな損失だ。
私もそのうち、そちらに参りますので、これまで以上に冗談を言いながら楽しく語りあえるのを楽しみにしています」
これに対して昭恵夫人が謝辞で
「主人は麻生先生のことを本当に憧れていたので、喜んでいると思います」
とこたえたそうです。
岸信夫防衛相
「兄を失いました。同時に日本にとりかけがえのないリーダーを失いました。テロによる民主主義への冒涜、暴力による言論封殺が行われてしまいました。
兄は日本を愛し、この国を守るため政治に命をかけてきました。
遺された者たちは皆wかっています。
お疲れ様でした。ありがとう。今はただ安らかに」
森喜朗
「まだ若く、日本のためにやるべきことがたくさんあったのに大変残念でならない。国家的な損失だ。
もっと『安倍学校』の生徒として指導してもらいたかった」
「そんなに応援ばかり行かなくていいよ、自分の体を大事にしなさいとアドバイスした。あれが最後の会話になるとは」と言葉を詰まらせた。
「『政治の師匠は森さん』と言ってくれた。初出馬の時に下関に応援に行ったことを思い出すよ。残念だ。かわいそうだ」と無念さを何度も口にした。
岸田総理
「安倍元総理は日本の経済再生、外交安全保障、日米同盟の絆と信頼の復活、世界のリーダーと渡り歩き、若いときから真剣に取り組んだ拉致問題、そして憲法改正など、間違いなく卓越したリーダーでありました。また長い時間共にした大切な友人でもありました。一番悔しいのは安倍元総理本人だと思います」
トランプ元大統領
「安倍晋三がどれほど優れた政治家だったか知る者はまだ少ないが、歴史は公平であり。誰もがそれを知るようになる。彼には独自の、しかも飛びぬけた統率力があり、素晴らしい祖国である日本を愛し、大切にしてきた。
安倍晋三がいないことは大きな悲しみを生むだろう。彼のような人物はもう決して現れない。」
バイデン米大統領
「友人である安倍元首相が街頭演説中に銃撃を受け亡くなったとの報道を聞き、愕然とすると共に憤りを感じ、そして深い悲しみに暮れています。これは日本にとって、そして元首相をよく知る全ての人にとって悲劇に他なりません。
私は光栄なことに、元首相と親しく仕事をする機会に恵まれました。
副大統領として東京でお会いしたこともありますし、ワシントンにお迎えしたこともありました。安倍元首相は日米同盟の擁護者であり、日米両国民の友好の熱心な支持者でもありました。
日本歴代最長の在任期間を誇った安倍元首相が提唱した、自由で開かれたインド太平洋構想は、これからも続いていくことでしょう。そして、何よりも、日本国民を思う彼の気持ちは強く、人生を国民への奉仕に捧げてきました。襲撃を受けたその瞬間さえも、民主主義という仕事に身を投じていました。
暴力は決して許されないこと、そして銃による暴力は常に被害を受けた地域社会に深い傷跡を残すことを私達は知っています。米国はこの悲しみの中、日本と共にあります。
安倍元首相の御家族の皆様に心より哀悼の意を捧げます。」
マイク・ペンス前副大統領
「安倍晋三氏の死去により、日本は巨人を失い、アメリカは我々の最も偉大な友人を失いました。安倍さんは日本で最も長く首相を務めただけでなく、アジア太平洋地域の自由な世界のための比類なき擁護者であり、その死を深く悼みます。」
バラク・オバマ元大統領
「安倍元首相は、自らが仕えた国と、日米間の並外れた同盟の両方に献身的に尽くされました。日米同盟を強化するために行った活動、広島と真珠湾を一緒に訪問した経験、そして昭恵夫人が私と妻に示してくださった優しさを、私はずっと覚えています。」
キッシンジャー元国務長官
「強固な日米関係は安倍氏の努力によるものだ」と死を惜しみました。
「彼は偉大な指導者だった。日米関係はとても強固で重要なものであり、それは安倍氏の努力によるものだと思う」
エリザベス女王
「安倍晋三元首相の突然の訃報に接し、私たち家族は深い悲しみに包まれています。安倍夫妻が2016年にイギリスを訪問された際にお会いしたことは、とても良い思い出です。安倍元首相の日本への愛と、イギリスとの絆をこれまで以上に緊密にしたいという思いは、明らかでした。この困難な時期に、安倍元首相のご家族と日本の皆様に深いお悔やみを申し上げます。」
マクロン大統領
「フランス国民の名において、日本政府並びに日本国民に哀悼の意を表します。国に生涯を捧げ、世界の均衡に努めた偉大な首相を日本は失いました」
フランス大統領府もコメントを発表し、安倍元総理について、「フランスと日本を接近させ、インド太平洋地域の安定と繁栄を保障するため、協力を強化することに貢献した」
ボリス・ジョンソン前首相
「安倍晋三元首相に関する非常に悲しいニュースです。未曾有の時代に彼が発揮したグローバルなリーダーシップは、多くの人々の記憶に残るでしょう。
安倍晋三元首相の御家族、御友人、そしえ日本国民の皆様に思いを寄せています。英国は、この暗く悲しい時にあなた方と共にあります。」
オーラフ・ショルツ首相
「安部元首相の遺族、私の同僚の岸田首相、そして日本の友人たちにお悔やみを申し上げます。このような困難な時に、ドイツは日本の傍に寄り添います。」
メルケル前首相
「かつての長年の同僚である安倍晋三氏に対する恐ろしい暗殺計画の知らせに接し、非常に驚愕しています。私たちは緊密にお互いに信頼を寄せて協力し合ってきました。私は安倍氏と一緒に仕事をするのが楽しみでした。私の気持ちは安倍氏、安倍夫人、そして彼の家族と共にあります」
マクロン大統領
「安倍氏殺害の知らせを聞き、フランス国民を代表して、日本当局および国民に追悼の意を表します。日本は自国に人生を捧げ、世界の秩序もために取り組んできた偉大な首相を失いました。」
ゼレンスキー大統領
「安倍晋三元首相への残酷な暗殺は恐ろしニュースです。この困難な時期に彼の家族と、日本の人達にお見舞いを申し上げます。この忌まわしい暴力行為に言い訳は通用しません。」
プーチン大統領
(声明)「犯罪者の手は、長い間、日本政府を率いて、両国間の良好な隣人関係を発展させるために多くのことをした優秀な政治家の人生を断ち切った。
シンゾウとは定期的に連絡を取り合い、彼の優れた資質は十分に発揮されていた。
この素晴らしい人物のよき思い出は、彼を知る全ての人の心に残るだろう」
(遺族への弔電)
「尊敬する安倍洋子様
尊敬する安倍昭恵様
あなたの御子息で、夫である安倍晋三氏のご逝去に対して、深甚なる弔意を表明いたします。
犯罪者の手によって、長期間日本の政府を率いて、ロ日間の善隣関係の発展に多くの業績を残した政治家の命が奪われました。
私は晋三と定期的に接触していました。そこでは安倍氏の素晴らしい個人的ならびに専門家的資質が開花していました。
この素晴らしい人物についての記憶は、彼を知る全ての人の心に永遠に残るでしょう。
尊敬の気持ちを込めて」
蔡英文総統
「安倍晋三元首相のご逝去の報に接し、言葉にならない程のショックを受けています。台湾国民も深い悲しみの中にいます。
安倍先生とは、また台湾でお目にかかれると信じていました。しかし、許しがたい暴力によって、尊い命が奪われてしまいました。
安倍先生は生前、台湾に実に多くのご支援とご配慮をくださいました。私達はこのことを決して忘れません。先生は天国でもきっと、インド太平洋地域の民主主義を見守って下さると信じています。
心からご冥福をお祈りします。」
「台日関係の発展のために尽くした安倍晋三元首相の貢献に感謝します。安倍晋三元首相がかつてピアノで弾いた、東日本大震災の復興支援曲「花は咲く」が、困難に立ち向かい、支え合って生きていこうとする気持ちを描いているように、台湾と日本も努力を続け、もっと多くの花を咲かせていきたいと思っています」
「台湾の永遠の良き友人。台日の友情と世界の民主主義、自由、人権、平和への貢献に感謝します。」
安倍氏とは十数年来の友人だったと言及。今年3月、安倍氏とリモート形式で会談したことに触れ、
「フレンドリーな笑顔と温もりあるあいさつを今でも覚えている」と振り返った。安倍氏が台湾訪問を承諾したばかりだったことを明かした上で、多くの民間の人々が安倍氏と共に進めるイベントやプロジェクトを計画していたとし、「これらは安倍元首相と台湾の交流がどれほど密接だったかを示している」と話した。 「安倍元首相の死去にみんなが悲しみ、惜しんでいる」とし、「政府と人々を代表して、安倍元首相の遺族に最も深い哀悼をささげる。不法な暴力行為に対し、われわれは改めて最も厳しく非難する」と述べた。また、安倍氏の台日関係への貢献に感謝し、台湾と日本は今後も手を取り合って協力し、双方の友好関係を深め、自由で開かれたインド太平洋地域を共に築いていくと強調した。
ジャシンダ・アーダーン首相
「日本の元首相、安倍晋三が集会で銃撃され、亡くなったというニュースを見て、本当にショックを受けています。
安倍晋三氏は、私が首相に就任して最初にお会いした世界のリーダーの一人でした。彼は常に集中し、思慮深く、また寛大でした。
最初の二国間会談のあと、公式写真を撮るために待っていると、彼は身を乗り出してきて、私の猫が亡くなったことを残念に思っていると言ってくれたのを覚えています。」