兵庫県西宮市の西宮神社は、古くから商売繁盛の神様として有名です。
また、西宮神社は「西宮恵比寿」「えべっさん」とも呼ばれていて、一月十日の大祭終了後の開門神事・走り参りでの、福男選びは全国的に有名です。
全国ニュースでも報道される程、お正月の風物詩になっています。
西宮神社の恵比寿様とは
古事記の記述
「私の体は完全ですが一か所足りない所があります」と言い
「私の体も完全ですが一か所余った所があります。どうでしょう、あなたの体の足りない所と、私の体の余った所を合体させて子供を作りませんか」
と答えました。
そこで二人の神様は天御柱の周りをまわって、出会った所で子供を作ることになります。
女性神であるイザナミが「なんて素敵な方でしょう」と先に声をかけます。
そこでできた最初の子供が蛭子でした。
蛭子は3歳になっても立つことができなかったため、藁で作った船に乗せて海に流されてしまいます。
その原因として女性神であるイザナミが先に声をかけてきたせいだ、とイザナミは考え、今度は自分から声をかけて子作りをやり直します。
これは結婚や妊娠の順序をおろそかにしてはいけない、という戒めとされています。
次に生まれたのが、天照大御神、月読の尊の御兄弟です。
天照大御神が最初の御子ということになっていますが、古事記によると最初の御子は蛭子でした。
日本書紀
日本書紀は古事記より後に書かれたものですが、ここでは蛭子は3番目の子供とされています。
天照大御神、月読の尊の次の御子ということです。
蛭子は手足が不自由だったため、イザナギ・イザナミは海に流してしまいます。
蛭子のその後
この時代、穢れというものは全て海に流していました。
死や病、ケガなどが穢れとされていたようです。
蛭子は海に流された後、西宮の海岸に流れつきます。
そこで漁師に拾われた蛭子は、「戎三郎」と名づけられて大切に育てられました。
その後西宮神社で恵比寿大明神として祀られています。
三番目の御子なので「戎三郎」ということです。
蛭子の本当の姿
蛭子は手足が不自由だったため名付けられたとされています。
蛭のように手足がなかったという説もあります。
でも神様の御子にそんなひどい名前をつけるでしょうか。
有名なのは、蛭子の正式な名前は「日る子」(ひるこ)だったのではないか、という話です。
アマテラスの本名は「日る女」(ひるめ)です。
「日る子」と「日る女」は双子だったのではないでしょうか。
何か古事記や日本書記には書けない事情があって、御子をいなかったことにした、という話かもしれません。
西宮神社の御利益
西宮神社の御祭神は、
第一殿(東殿)えびす大明神
大三殿(西殿)須佐之男命
西宮神社は海岸に流れ着いた戎三郎を助けたことが由来なので、海難や水に関係することから守って下さると言われています。
また、室町時代からは商人の力が強くなっていき、西宮神社も商売繁盛の神様として栄えました。
西宮神社といえば、福男が有名です。
急な坂道を走って一番になった者がその年の福男になります。
福男という名前から「今年一年間その男性に福が与えられる」と思いがちですが、違うそうです。
「福男は周りに福を与える存在になる」ということで、自分の福を分け与えるという大変なお役目を担ってしまうのです。
以前、テレビで歴代の福男に「その年はどんなことがあったか」聞いてまわるコーナーがあったのですが、皆あまりいい目にあっていないのです。
中には留年したという大学生もいました。
福男レースは誰でも自由に参加できるわけではありません。
抽選で選ばれた人達が最初に走ります。
抽選で勝ち抜き、寒い中長時間並んで待ち、必死で走って人のために自分の運を使うのです。
すごい善行です。
きっといつか神様からご褒美をいただけるでしょう。
西宮神社について
明るくて、この輝く気をいただいたら金運が沢山ついてきそうです。
居心地よくて思わず長居したくなってしまう雰囲気です。
(カフェも併設されています。)
最初に伊勢神宮の遥拝をしてから、本殿にお参りするとより一層御利益がいただけるそうです。
もし、遠方からお参りに来られるのでしたら、近くの広田神社と芦屋神社もおすすめです。
広田神社は西宮神社の明るい親しみやすい雰囲気とちょっと違って、男性的な強いパワーを感じます。
芦屋神社は静かで荘厳な雰囲気です。