私の占いの師匠は生まれつきの優れた霊能者で、時々面白い話をしてくれます。
師匠は神様や霊魂と交信してお告げを聞く能力があるのですが、同様に動物とも交信できるらしいのです。
師匠の家には犬と猫が沢山いて毎日お世話だけでも大変です。
そのうち犬猫だけでなくカラスも遊びに来るようになりました。
師匠が「カァ(おはよう)」と言うと、カラスも同じように「カァ(おはよう)」と返事をするようになったそうです。
人とカラスがお互いに「カァ」「カァ」と言い合っている様を想像すると笑えます。
義理堅いカラスだったようで、残ったキャットフードをあげると「カァ(ありがとう)」と言って、数分ほどどこかに行った後、家族を連れて戻ってきて紹介してくれたそうです。
その後、カラスの一家は毎日朝ごはんを食べにくるようになり、家族全員が一列になって「カァ(ごちそうさま)」と言うようになりました。
その時は師匠も「カァ(どういたしまして)」と返事をするのだとか。
そんな師匠の家には、おチビちゃんという猫がいました。
生まれた時は小さくて可愛かったため、ずっとおチビちゃんと呼んでいたそうです。
「おチビちゃん」と呼ぶとちゃんと返事もしていたとか。
おチビちゃんはなぜか、同じ日に生まれた兄弟たちよりずっと大きな猫に成長しました。
もうおチビちゃんではないのですが、途中で名前を変えるわけにもいかず、大きくて太った猫はずっと「おチビちゃん」と呼ばれていました。
「後ろ姿は犬のようだ」と師匠から聞いたことがあります。
でも去年の12月、突然おチビちゃんが姿を消しました。
呼んでも帰ってきません。
出かけていても、ごはんの時間になると必ず戻ってきていたのに。
今まで外泊したことはあっても、ごはんの時間に遅れたことはない子でした。
心配した師匠はおチビちゃんの様子を霊視しました。
どこかでケガでもしていたら大変、と思って。
霊視したら、おチビちゃんはどこかの家の炬燵に入って、そこの家の人の膝で寝ていたそうです。
そこで師匠は思い出しました。
同じ量のごはんを与えているのに、なぜかおチビちゃんだけが他の猫より大きくて太っていること。
他の猫のごはんを横取りしているわけでもないのに、おチビちゃんだけでっぷり太っていました。
さらに霊視した結果、おチビちゃんは師匠の家だけでなく、他に2軒の家で飼われていたことがわかったそうです。
3軒の家を自由に行き来してごはんを食べていたから、あんなに太っていたのです。
それぞれの家で名前をつけてもらっていましたが、どの名前で呼ばれてもちゃんと愛想よく返事をしていたそうです。
今回突然帰ってこなくなったのは、おチビちゃんの飼い主の一人が
「寒いから外に出てはいけない」
と心配して窓に鍵をかけてしまったためでした。
「暖かくなって窓を開けてもらったら、またごはんを食べに戻ってくる」とのことでした。
おチビちゃん、可愛がられてたのは良かったけど、なんて要領のいい子なの・・・
師匠は霊視で確かめることができましたが、おチビちゃんの飼い主のうち残りの一軒では、今頃さぞかし心配しているでしょうね。
おチビちゃんは、よその家の炬燵で抱っこされて、ごはんもいっぱい食べてますよって教えてあげたいわ・・・